高梨さんの日常



自分しか食べないものを凝る気にもなれず、ちゃっちゃとパスタを茹でて、トマトソースと絡める。

たいして美味しくもないパスタに、クリスマスの北条の料理を思い出した。

あーあ。

いつの間にか一人で食べるようになったご飯に、もはや寂しさなんて感じていなかったけれど。

高2になって、北条と食べるようになった昼ご飯が、味気ない自分の弁当のはずなのに、とても美味しく感じて。

比べてしまう。

朝夜と昼の時間を。

「ごちそうさま」

そう言って食器を片付け終わると、ソファに向かった。

「なにみてるの?」

「は?なんだっていいじゃん」

「そっか」

今日は機嫌が悪い日か。

納得してソファから離れて、別の椅子に座りながらテレビを見た。