高梨さんの日常




クリスマスの時も、優しかったなあ。

実は、クリスマスの時、北条のプレゼントを探してフラフラとショッピングモールを歩いていたら、ばったり出会ったのだ。

北条にはお姉さんの写真を見せてもらっていたし、お姉さんもどうやら私の顔を知っているみたいだった。


「あれ、もしかして高梨ちゃん?!」

「はい、そうです。北条くんのお姉さんですよね?」

「うん、そうそう!北条ナツキですよろしく!」

「高梨ランです」


ニコニコと笑って差し出された手はブンブンと振られて握手した。


「高梨ちゃんも買い物?……ここで?」


今度はニヤニヤと少し意地悪そうな顔をしたのは、ここがランジェリーショップだったからだろう。


「あ、いやいや、あの、そういうわけじゃ…なくて…」


「あっはっは!赤くなってる!可愛いなあ。お姉さんが良さそうなの選んであげよう!」



そう言って意気揚々と私の手をもって他のコーナーに引っ張っていく。


「んーやっぱ水色かなあ」

花柄の下着とレースのを見比べながらそんなことを言っていた。


「あの、お姉さん!」

「ん?水玉の方がいいかな?」

「あ、いや、レースがいいです!…じゃなくて、あの、実は私、北条のプレゼントを悩んでて…」