そんな姉弟のやりとりが眩しくて。
頬を何かが伝った。
「え?高梨?」
「た、高梨ちゃん、大丈夫?とりあえず入ろう?」
二人とも戸惑っている。
ダメ。困らせちゃ、ダメ。
でも。どんどん溢れてくるものは一向に止まる気配がない。
なんで。
「大丈夫。こっちおいで。」
優しく声をかけてくれるお姉さんが手を引いてくれて、客間に通された。
クリスマスに北条と料理を食べたところ。
「とりあえず、コート乾かそうか。脱いで」
お姉さんは微笑みながら、テキパキと対応してくれる。
北条は、客間の入り口でどうしようかわかりかねてるみたい。
困らせてる。
流れてくる雫をそのままに立っているとお姉さんが一緒にソファに座ってくれた。
「大丈夫だよ。ほら、ツカサこっちおいで。」
私の背中をさすりながら、北条を呼んで、自分とは反対側の私の隣に座らせた。
「とりあえず、あったかい緑茶淹れてくるから。美味しいのがあるのよ」
お姉さんは持ってきたタオルを私の頭の上にのせて、客間から出て行った。


