まあ、距離は縮まるわけで。
私の頭は北条の胸に押し付けられた。
「…嘘なわけ、ないだろ。…未だにこんなに心臓バクバクいってんだぞ」
ちらりと見上げた顔はすごく真っ赤で、少し笑いたくなった。
「わかってるって。いってみただけー」
その態勢のまま、腕を回して北条を抱きしめる。
…ああ、あったかいなあ。
北条がいなかったらこんなあったかい思いは二度と出来てなかったかもしれない。
落ち着く、安心するあたたかさ。
…私は北条になにかできているかな。
北条はこんなにも私を満たしてくれるけど、私は北条になにかしてるかな。
……バレンタイン…手作りしてみようかな、やっぱり。


