高梨さんの日常



リンは家にこもったきり、テレビを見ながら過ごしているようだ。


運動不足でどんどん大きくなるその体が、私にはとても醜くみえて、そう見えてしまう自分を責めた。


怖かった。


今まで一緒に、同じように育ってきたリンがそんな風に変わってしまったのが。


自分の都合で、家族を振り回すリンが。

リンがわからなくて、だんだん自分もわからなくなっていく私が。

ただただ、怖かった。


「あっはっは!」

テレビを見ながらリンが笑う。

その笑い声すら聞きたくなくて、私は自分の部屋に戻った。


ベッドに潜ってうずくまる。

どうすればいいの。

どうしたらいいの。

どうするべきなの。


………たすけて。