高梨さんの日常



リンと私はいつも同じように育ってきた。

同じように保育園にいって、

同じように小学校中学校にいって。

同じように遊んでいたし、

同じように勉強もしたはずだった。


だけど、リンは二人で志望した高校に届かなくて。入学試験を受けてみることもなく、第二志望の高校を受験し、入った。

そこからだった。

少しおかしくなったのは。

リンと私は同じように育ってきたはずだったけれど、性格は真反対で、どちらかというとワガママで、勝気なリンは初めは順調にその学校に通っていたけれど、だんだん行かなくなっていった。


その理由を母の所為にして。


「あんたが産まなきゃよかったとか言うからだよ!」

「だれも高校に行かせてくれなんて頼んでねーし」

「ほっとけくそばばあ」

そんな言葉が飛ぶようになった。

ウチの両親は共働きで、家を開けることもそれなりにあった。

でも、リンがそんな風になってから、父は起きているうちは家に帰らなくなったし、母も仕事、と言って夕飯の時間には帰らなくなった。