「まあ、古い家だけどね。前はここで店やってたみたいだし」 「和菓子屋さんかー。行ってみたいなあ」 「今度、連れてってあげるよ」 「わーい」 そういったところでシアタールームにつく。 ここだけ洋間で、ドアを開けると黒いソファと小さいテーブルが置いてある。 「そこ、いいよ」 高梨をソファに座らせて、用意したポットからカップに紅茶を注ぐ。 「何がみたい?」 高梨にきかれて、一瞬迷ったけれど、 「高梨が一番好きなやつがいい」 そう答えた。