「じゃあ、行こうか」 離れてしまうのは名残惜しかったけど今度は手を重ねたから、また、ドキドキして、なんとなくはしゃいでいる自分に気が付く。 「北条の料理、たのしみなんだ」 「期待は裏切らないよ、絶対喜ぶ」 「うふふ、自信満々ですなあ」 「愛情がこもってるからね」 「…自分で言っといて赤くならないでくれるかなぁ」 ポンポンと続く会話が心地よくて、家までの道がいつもと違って見えた。