北条くんの日常


叫んだ斉藤の声はあたりに響いて。

「あ、いや、その…」

気付いた斉藤はアタフタして縮こまろうとするけれど、躊躇った後に何かを決意したような、意志の強い表情を彼女たちにむけた。


「そういうの、やめてもらえませんか」

静かだけど力強く落ち着いた声。

「北条くんだけが目当てなら、辞めて下さい。他の料理を楽しみたい部員たちや、なにより、北条くんに迷惑です」

いつも物静かな斉藤がそんな事をいうから、彼女たちは呆気にとられていた。