「ごめん、大丈夫っすか?」

「あっはい。大丈夫です。
ギリ当たってません…
では失礼します。」

信号が青に変わり
また急いで走り出す。

「……ねぇー!きみー!
ちょっと待ってー」

(えっ、何?
朝からマジ迷惑…
遅刻しちゃうし…)

「ねぇ、何で無視?
きみ、専南の人でしょ?」

「はい…?」

「いや、その制服!」

「あっ、
もしかしてあなたも?」

「そうそう。
でさー初対面で言うのも
アレなんですけどー」

(ほんと遅刻しちゃう…)
「ごめんなさい。
私すっごく急いでて
話してる時間ないんです。
失礼します。」

軽く一礼して慌てて更に走る…。

「だからーもう。
違うんだって。
待てって言ってるでしょ。」

「何なんですか?
私あなたと違って
入学式から遅刻するほど
不良じゃないです!では!」

夏希は今までとは違う強めな
口調で言い残し、また走る。

「何だそれ?笑
せっかく乗せてやるって
言おうと思ったのに…。
まぁいいわ。
ごめんな、じゃーなー」

そう言って
夏希の横を通り過ぎた。