歩き出せ私たち






それから、一ヶ月が過ぎ12月になった。
街はすっかり、クリスマスムード一色だ。

私とトモヤは相変わらず。
何をするにも二人だから、一部では付き合っているという変な噂が立っているらしい。
でも、私は別にそんなこと、気にしていない。
トモヤは・・・どう思ってるんだろう。



「・・・ミオ?」



エーエム7時18分。
電車を待つ私の横に、誰かが並んだ。



「おはよ、」


「あ、トモヤ。おはよ。」



朝、トモヤと出くわすのは久しぶりだ。
アキナとノボルが一緒に登校しているのに出くわすのは気まずいから、最近時間をずらして少し早めに家を出るようになった。



「この時間の電車乗るなんて珍しいじゃん」


「うん、ちょっと、寝坊した」



大きなあくびをしながら答えると、トモヤがくすくす笑って、頷いた。

電車がホームに滑り込む。
地鳴りのような音と同時に、突風が吹き、私達の体を揺らした。
私は咄嗟に、舞い上がった髪を手で押さえる。



「あれ?ミオと、トモヤ?」



電車が停車し、一瞬しんとしたホームに、よく聞きなれた声が響いた。