おはなのようせい【短編】



どの花にするか決めてから既に二週間経ってしまった。仕事が立て込んでいて、それを決行するには体力も時間もなかった。花は一瞬で萎れてしまう。それは辛かったのだ。

それに、最後は最高でありたかったのだ。



歩いているとき、ずっとあの人のことを考えていた。それは、彼ではなくて、別の人のことを。今までストレートにあの人を想ったことはない。それは、彼が小さくとも出てくるからだ。それほど余韻は海のように大きく深かった。

だけれど、ずっとあの人を考えていたかった。あの人はとても優しい。傷口にちゃんと傷薬を塗ってくれる人。

足の歩幅が小さく細かくなる。
解放を望んで、花も暴れだす。


私が公園に着いた時、目を疑った。
神様はきっと意地悪で性格が歪んでいるに違いない。

子供が一人、男性が一人、走り回っている。


彼だ。



儀式の間に彼がいる。




彼は私に気付いた、ふ、とこちらに顔が向いたとき驚いたように目を見開いて、私の名前を呼んだ。

神様は意地悪だ______________。

彼が駆け寄ってくるとき本当に神様に中指を立てた。心のなかで。