「……遊佐、眠い」

「ドアホ」

「……大好き」


君の笑顔が。

君のこの、温かい腕の中が。


「知ってる」

「ふふっ」


耳が赤いのに、余裕なフリをするところも。

ちょっと意地悪なところも。


1年間、遊佐を好きになってよかった。


「遊佐、卒業おめでとう」

「ん」

「これからも、よろしくね……で、いいんだよね?」

「ふ、もちろん」


あたしらは体を離し、そっと額を合わせて、お互いに笑い合った。

周りに誰もいない第二体育館で、あたしたちは三度目のキスをした。







ーF I Nー