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「浅倉ー、これ洗って返すね?」



体育が終わり、教室内で浅倉を捕まえた。




すると浅倉は、なぜか意外そうな顔をした。



「え、別に大丈夫だよ?荷物持ちを頼んだわけだし?」



ニヤリと笑う。



「いや、でも……」



「じゃあさ、王子のお願いを1個きいてあげるよ。俺が。これでどう?」




お願い事を1つ……




わたしは浅倉を見た。



その顔はいつも通り。


ニコッと微笑んでいた。




「んー……まぁ、それでいいなら…」



ちょっと違う気もするけどね。



まぁ、願ったり叶ったりかな?




「あ、『王子』って呼ぶのやめてはナシね。禁止。」



「はぁ!?それにしようと思ってたのに!」




出鼻をくじかれた。



くっそ、先回りされたか……