あ、やっぱ駄目かも。
女の子が絆創膏を持って去っていく瞬間に、わたしは浅倉に笑顔を向けた。
もちろん、完璧に作り笑いを。
「浅倉くん、いつになったらその『王子』呼びやめてくれるのかな?」
「……別に良くない?王子サマ。」
浅倉は少しだけ間を空けて、ニコッと笑ってきた。
わたしを確信犯で『王子』と呼ぶときの顔だ。
「良くない!わたし別にどこぞの漫画みたいにボーイッシュなキャラじゃない!」
わたしが食いかかると、浅倉は不意に、真顔に戻った。
「んー…まあそれは言えてるか…」
考え込むように、顎に手を当てて。
そんな姿にギャップを感じるとか、誰にも言えない。


