「あれ、浅倉は女子2人とおしゃべり中?」



浅倉の後ろから登場したのは、南 大雅(ミナミ タイガ)くんである。



浅倉と仲がいいらしく、よく2人でいるのを見かける。




「そうそう。って、まさかもう時間?」



浅倉は顔をしかめながら立ち上がった。



それを見て南くんは笑いながら浅倉の頭を叩く。



「そのまさかだよ、行くぞ。」



「あー…、ちょっと待って!」



浅倉は慌てたように、急に、腰に巻いていたジャージを取った。




そしてそれはなぜか、わたしに投げられた。



「──え?」



咄嗟に受け取ったものの……これをどうしろと?




わたしが意味深な顔をしてジャージを持っていると、浅倉はフフ、と楽しそうに笑った。



何が楽しいんだか──