｢そうそう、見てた？｣
｢見てた見てた！かっこよかったよー｣
こうやって、素直に褒めるとことか。
だからかなちゃん、モテるんだよなぁ。
｢王子は？見ててくれた？｣
浅倉は腹筋で起き上がると、微笑みながら言ってきた。
｢…見てたよ。ドリブルが速いなぁ、って思ってたけど。｣
｢それはありがとう。｣
浅倉は満足気に笑った。
｢あ、そういえばさぁ、そのときに話してたんだけど……｣
かなちゃんはなぜか急に声を小さくした。
しかも、しゃがみこむ。
｢浅倉くんって、なんで結架ちゃんのこと『王子』って呼んでるの？結架ちゃんって可愛い系じゃない？｣
おいおい、今訊くなよ。
かなちゃんに可愛いと評価されたのは嬉しかったけど。
