冷たい背中 〜王者な彼と従者な私




「ゆきはさ、おれの従者か何かなわけ?」



葵くん、怒ってる…?



「いや…えっと……。」


「彼女、でしょ?」


「あ…はい。」



彼女という響きがあまりにもシックリこなくて、微妙な返答をしてしまう。



冷たい壁と、周りから向けられる冷たい視線で、体が徐々に凍っていく。



「あの、みんな見てま…見てるよ?」



掴まれた両腕をチラチラ見ながら葵くんにそう訴えかける。