どうしてキスなんか…。
気まぐれ? まさか。でもなんで…?
混乱する頭で考えているとふわりと、体が包み込まれて。
頬に神林くんの柔らかい髪が触れる。
「驚かせたね、ごめん。でもこれで終わりにしたくなかったんだ。
長澤さんに初めて声をかけた時、先生に聞いたってのはウソ。本当は知ってたんだ」
優しい声が耳に響く。
「君が長澤さんだって知ってた。美術部だってことも。去年の文化祭で長澤さんが描いた絵を初めて見て
こんなにも優しい絵を描く人がいるんだって感動したんだ」
わたしのことを知ってた? 神林くんが?
「それから」と言葉を続ける神林くん。
「長澤さんのことをもっと知りたいと思った。こんなステキな絵を描く人はどんな人なんだろうって。
…情けないよな。話しかけたいのになかなかきっかけが掴めなくて。選挙活動で選挙ポスターが必要だって知った時、『これだ!』って思ったんだ。
長澤さんは俺が思ってた以上にステキな人だった。知れば知るほど、もっと知りたくなる。
君を手放したくない。…長澤さんのことが好きなんだ」

