「あいてないよ~。ぼくがいるよ~」
「ああ、うん。そうなんだけど、さっき聖くん自身が言っていたように、何故だか皆、聖くんのことが分からないんだよね」
「う~ん…。どうしてかな~?」
「ホント、不思議だよね。それに、何で今までは誰も分からなかったのに、いきなり俺達だけ聖くんの姿が見えたり、声が聞こえるようになったのかも」
そこで吾妻さんは振り向き、オレに視線を合わせた。
「比企さん、何か心当たりはないんですか?」
「え?オ、オレ?」
そんなんいきなり言われても…。
自慢じゃないけどホントオレ、霊感が0感で、今までこういった心霊的な現象とは無縁の世界で生きて来たんだから。
小中高と、何故かクラスに一人くらいは「俺(私)、実は見えちゃうんです」系の人がいて、色んな体験談をほとんど武勇伝のように語っていたけれど、正直リアクションに困ったもん。
「お、おお。すごいなー」みたいな感じでとりあえず無難に言葉を返してたけど。
それがまさか、自分自身が、そんな不思議体験の生き証人になってしまうなんて。
「でも、ぼく、まえからあのお兄ちゃんと、すっごくすっごくおはなししてみたかったの」
すると、こうき君が、オレを指差しながら言葉を発した。
「そう思ってたから、神様がおねがいをかなえてくれたのかな?」
………え?
「う、うそ」
いつの間にオレ、この子のこと、そんなに虜にしていたんだろうか?
「うそじゃないよ~。だって、いままでここのお部屋に住んだ人のなかで、お兄ちゃんがいちばん見てておもしろいから。一人でいろいろしゃべったり、『スイッチオン♪』とかいって遊んだりして……」「い、いや、こうき君、そこまでにしておこうか」
まさかこんなタイミングで、吾妻さんの前で羞恥的な暴露をされるとは思ってもみなかった。
「だから、さっき『あんぎゃー!』って言いながらにげられて、ぼく、すっごくかなしくなっちゃった」
「うっ」
再び瞳を潤ませたこうき君の姿に、思いっきりズキンッと胸が痛む。
「ご、ごめんね。でもそれは…」
「ホントですよ~」
すると吾妻さんが横から茶々を入れて来た。
「ああ、うん。そうなんだけど、さっき聖くん自身が言っていたように、何故だか皆、聖くんのことが分からないんだよね」
「う~ん…。どうしてかな~?」
「ホント、不思議だよね。それに、何で今までは誰も分からなかったのに、いきなり俺達だけ聖くんの姿が見えたり、声が聞こえるようになったのかも」
そこで吾妻さんは振り向き、オレに視線を合わせた。
「比企さん、何か心当たりはないんですか?」
「え?オ、オレ?」
そんなんいきなり言われても…。
自慢じゃないけどホントオレ、霊感が0感で、今までこういった心霊的な現象とは無縁の世界で生きて来たんだから。
小中高と、何故かクラスに一人くらいは「俺(私)、実は見えちゃうんです」系の人がいて、色んな体験談をほとんど武勇伝のように語っていたけれど、正直リアクションに困ったもん。
「お、おお。すごいなー」みたいな感じでとりあえず無難に言葉を返してたけど。
それがまさか、自分自身が、そんな不思議体験の生き証人になってしまうなんて。
「でも、ぼく、まえからあのお兄ちゃんと、すっごくすっごくおはなししてみたかったの」
すると、こうき君が、オレを指差しながら言葉を発した。
「そう思ってたから、神様がおねがいをかなえてくれたのかな?」
………え?
「う、うそ」
いつの間にオレ、この子のこと、そんなに虜にしていたんだろうか?
「うそじゃないよ~。だって、いままでここのお部屋に住んだ人のなかで、お兄ちゃんがいちばん見てておもしろいから。一人でいろいろしゃべったり、『スイッチオン♪』とかいって遊んだりして……」「い、いや、こうき君、そこまでにしておこうか」
まさかこんなタイミングで、吾妻さんの前で羞恥的な暴露をされるとは思ってもみなかった。
「だから、さっき『あんぎゃー!』って言いながらにげられて、ぼく、すっごくかなしくなっちゃった」
「うっ」
再び瞳を潤ませたこうき君の姿に、思いっきりズキンッと胸が痛む。
「ご、ごめんね。でもそれは…」
「ホントですよ~」
すると吾妻さんが横から茶々を入れて来た。

