「『行き先は、相棒のトナカイがちゃ~んと分かっているから大丈夫!三太くんはたどり着いた家の玄関先に、そっとプレゼントを置いて来てくれれば良いんだよ。そうすればその家の大人が、子どもの枕元まで持って行ってくれるから』おじいちゃんはにこにこと笑いながらそう言いました。最初はただただ驚いていた三太くんでしたが【ぼくがやらなくちゃ、みんなプレゼントをもらえなくなっちゃうんだ…】と考えました。そして三太くんは元気にお返事したのです。『分かった、おじいちゃん。ぼく、1日サンタになるよ!』」
「ふわ~」
聖くんは心底安堵したような表情になり、それに伴い可愛いため息をついた。
「さんたくんすごいね~」
「だねー」
「このあとどうなるのぉ~?」
「じゃあ、続きを読むね。夜の9時に、トナカイが、三太くんのお部屋の窓をコンコンと叩きました。『なんだ。こんな子どもに、ちゃんとプレゼントが配れるのか~?』三太くんを見るなり、トナカイはとても意地悪なことを言いましたが、三太くんは気にせずに、プレゼントがいっぱい積んであるソリに乗り込みました。いつもだったらもうとっくに夢の世界に旅立っている時間なのに、今夜は不思議と眠くなりません。『しゅっぱつしんこーう!』三太くんは手綱を引っ張りながら、元気いっぱいにかけ声をかけました」
この後、最初は感じの悪かったトナカイが、一生懸命サンタとしての任務を遂行する三太くんに次第に心を開いて行き、お別れする頃にはすっかり仲良し、というお約束な展開が繰り広げられるのであった。
途中歓声を上げたり、興奮気味にオレに問いかけたりしてくる聖くんの相手を楽しくしているうちに、いよいよ物語はクライマックスへ。
「『がんばったな、三太。これが最後のプレゼントだ』そう言いながら、トナカイがお鼻でその箱をツンツン、とつつきました。三太くんが中身を取り出すと、それは、三太くんがずっとずっと欲しかった、ラジコン飛行機だったのです」
「おお~!」
「『わーいわーい』三太くんはとてもうれしくて、そう言いながらピョンピョンと飛びはねました。しかし……」
オレはそこで一旦言葉を切り、思いっきりためてから続けた。
「覚えているのはそこまででした。気がついたら三太くんは、ベッドの上に居たのです」
「えぇ~???」
「ふわ~」
聖くんは心底安堵したような表情になり、それに伴い可愛いため息をついた。
「さんたくんすごいね~」
「だねー」
「このあとどうなるのぉ~?」
「じゃあ、続きを読むね。夜の9時に、トナカイが、三太くんのお部屋の窓をコンコンと叩きました。『なんだ。こんな子どもに、ちゃんとプレゼントが配れるのか~?』三太くんを見るなり、トナカイはとても意地悪なことを言いましたが、三太くんは気にせずに、プレゼントがいっぱい積んであるソリに乗り込みました。いつもだったらもうとっくに夢の世界に旅立っている時間なのに、今夜は不思議と眠くなりません。『しゅっぱつしんこーう!』三太くんは手綱を引っ張りながら、元気いっぱいにかけ声をかけました」
この後、最初は感じの悪かったトナカイが、一生懸命サンタとしての任務を遂行する三太くんに次第に心を開いて行き、お別れする頃にはすっかり仲良し、というお約束な展開が繰り広げられるのであった。
途中歓声を上げたり、興奮気味にオレに問いかけたりしてくる聖くんの相手を楽しくしているうちに、いよいよ物語はクライマックスへ。
「『がんばったな、三太。これが最後のプレゼントだ』そう言いながら、トナカイがお鼻でその箱をツンツン、とつつきました。三太くんが中身を取り出すと、それは、三太くんがずっとずっと欲しかった、ラジコン飛行機だったのです」
「おお~!」
「『わーいわーい』三太くんはとてもうれしくて、そう言いながらピョンピョンと飛びはねました。しかし……」
オレはそこで一旦言葉を切り、思いっきりためてから続けた。
「覚えているのはそこまででした。気がついたら三太くんは、ベッドの上に居たのです」
「えぇ~???」

