幸せになるために

今日は炊き込みご飯のおにぎりと、ベーコンレタスのサンドイッチ、グリーンサラダが目に止まったので、いつものごとく、深く考える事はせずにそれを手に取ってレジへと向かった。

ここのお弁当類は何を食べてもハズレはないし、とにかくお腹が膨れればそれで良いので、そんなに悩み抜く必要はないかなと。

しかも出勤途中だもんね。

さっさと店を出て先を急がないと。

もしここで気に入った商品がなかった場合は、職場をちょっと過ぎた辺りにもコンビニがあるので、そちらを利用するつもりなんだけど、今のところそういった事態に陥った事はない。

やっぱ手前にある店で買い物を済ませられた方が良いので、ここにコンビニが存在する限り、あっちの店で昼食を調達する事はないかもしれないな。


「お会計670円でございます」

「はい」


顔には出さずに千円札を差し出したけど、内心『ん~、やっぱ高いわ…』と考える。

朝は一分一秒でも長く寝ていたいし、おかずのチョイスやその盛り付けが想像しただけで面倒くさいのでお昼は買う事にしているんだけど、一回の食事で700円近く飛んで行くってのはなかなか痛い。

やっぱそろそろ観念して、手作り弁当に挑戦した方が良いんだろうか。

おかずを詰めなくても済むように、おにぎりにしちゃえば良いんだからさ。

そうすると、15分くらいは早く起きる事になるか?

毎日おにぎりを握るのはちょっとしんどいし、舌も飽きちゃいそうだから、まずは比較的朝のんびりと過ごせる、遅番の日から始めてみようかな。

おつりと、袋詰めされた商品を受け取りつつそんな事をぼんやりと考えていたけれど、ふと、レジカウンターの端に視線を向けてハッと気付く。


「すみません。これ、予約したいんですけど……」


言いながら、オレは目にしたチラシを手に取り、カウンターに置いた。


「あ、はい。ありがとうございます。では、必要事項を記入していただけますか?」


レジ担当の若い女性は、制服の胸ポケットに差しておいたボールペンをチラシの上に乗せつつ、そう促して来る。


「え~と…」


まずはオードブルA【2、3人前1980円】の欄に○を付け、次いで自分の住所氏名、ケータイ番号を記入した。


「それではこちら、12月24日の18時過ぎに店頭受け取りという事でよろしいでしょうか?」