旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

 すると彼の右手が伸びてきて、私の左頬にかかる髪を綺麗な指でそっと私の左耳にかけてきた。

 思わず顔を上げて彼を見ると優しい瞳とぶつかった。

 高鳴る鼓動は強さを増し息苦しさを覚える。

 私の左頬にそっと触れられたままの彼の右手に熱を感じ、それに全神経が集中する。

 すると彼が囁く様に私に言った。

「誘惑しないでくださいね。理性が効かなくなりますので」