旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

「そんなに珍しいですか?男の部屋は」

 クスっと笑う彼に思わずカァーと顔が赤くなるのがわかった。

「ち、違います。本棚と机しかないなーって不思議に思って……」

「俺は必要最低限の物しか置きませんから」

 彼は荷物を隅の方へ置くと私に近づいてきた。

「兄達も帰って来るので部屋はありません、今日は一緒にこの部屋で寝ますがいいですか?」

 ――え!?

 ドキン!と心臓が跳ねる。

 赤かった顔が益々赤くなっている事だろう。

 いいも何もここしか空いてないのなら仕方ないよね……。

 彼の顔を見れず足元を見ると、ドキドキしながらコクンと頷いた。