旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

「母さん、長時間の運転で少し疲れたので部屋で休みます」

 お茶を飲み終えた彼がそう言うとスッと立ち上がった。

「行きましょう。瑞希さん」

「え?あ、はい」

 慌てて立ち上がると、荷物を持ち襖を開けて出ていく彼の後ろを付いて行った。

 居間を出るときお義母さんに一礼をして襖を閉めた。

 彼に付いて行くと、ある部屋へ入る。

 綺麗に整理された本棚には難しそうな本がズラリと並んでいて、隣には何も置かれていない机があった。

「ここは……?」

「学生時代まで使っていた俺の部屋です」

「そうなんですか……へぇー」

 部屋を見渡しながら隅々まで見て回る。