旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

「あ、いえ。すみません。忘れてください」

 慌てて彼に訂正を求めたが彼はクスっと笑うと――。

「マンボウですね。わかりました」

 と答えた。

 馬鹿にされた様な気分で益々恥ずかしくなってしまった。

「マンボウ見るなら国内と国外はどちらがいいですか?」

 眼鏡を通して見つめてくる瞳は明らかに私を小馬鹿にしている。

 「国内で……」

 そう言うと、彼の視線から逃げるように再び膝に置いた手に顔を向けた。