旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

 それに耐えられなくて、膝に置いた手に顔を向ける。

 彼と出かける度に多くの蔑む視線を受けなければならいと思うと、なんだか憂鬱になってくる。

「新婚旅行どこにするか決まりましたか?」

 不意に声を掛けられ顔を上げた。

「……いえ、まだ」

「そうですか。瑞希さんは何が見たいですか?」

 見たいもの……?

 うーん、なんだろう……。

 暫く考えてポツリと呟いた。

「……マンボウ」

 それを聞いた彼が一瞬固まったのが分かった。

「マンボウ……ですか?」

 余りにも間抜けな答えに徐々に恥ずかしくなってきた。