旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

「そんな事……」

 呟くように言うと、彼女は今にも泣きそうな顔で俯いた。

「さっきの方は婚約者の方だっているんです……。雅也さんが心配するような事は何もありません……」

「婚約者がいようと妻がいようと、別の女に愛を囁く男なんてこの世にごまんといます。接客業するならお客に漬け込まれないよう、もう少し危機感を持ってください」

 そう怒り口調で言うと、車を発進させた。

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「……」

 やってしまった……。

 隣に座る彼女からは、助手席の窓の外を見つめ、すすり泣く声が聞こえる。

 言い過ぎた……。

 彼女を泣かしてしまった後悔が身体中を駆け巡る。

 悪いのは彼女じゃない……。俺だ。

 自分がこんなにも彼女に対して独占欲が強かったなんて……。それで彼女を傷つけてしまうなんてどれだけの馬鹿だ。