旦那様は冷徹社長!?～政略結婚は恋の始まり～

「今日一日瑞希さんの事お願いします。彼女になにかあったら君をクビにしますから。そのつもりで」

　中指でメガネを直しながら彼女に聞こえないように小さな声で言うと、引きつった笑顔で「はい」と沖が頷いた。

　玄関を出てこっちを見ている彼女に「行ってらっしゃい」とにっこり笑うと、二人は出掛けていった。

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　午後八時。

　軽く夕飯を済まし、パソコンを開いて仕事をしていると携帯が鳴った。

　彼女からの電話で迎えに来てほしいと言う内容だった。

　彼女からの電話を受けてやっとホッとする――。

　一日中ソワソワしていたのだから。