旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

「やっぱり……駄目ですか?」

 顔に出ていたのか、少し不機嫌な俺に彼女が聞いてきた。

「そうですね……。駄目と言うより、俺の知らない男がいるのは少し不安です」

 そんな俺の言葉に彼女が目を丸くする。

「それって……やきもちですか?」

「そうですね」

 さらっと言うと、彼女は目を丸くしたまま顔が赤くなって行くのがわかる。

「あ、じゃあ私、行くの止めます」

 顔を赤らめて慌てて言う彼女に思わず笑ってしまった。

「いいですよ。行ってきてください。皆と会うのは久し振りなんですし、楽しんで来てください」

 笑いながら言うと、彼女は「でも……」と申し訳なさそうな顔をした。