旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

 ゆっくり彼が立ち上がると優しく微笑んだ。

 眼鏡を通して私を見つめるその瞳は眩くて、思わず息を詰める……。

 柔らかい空気が二人を包むと彼が口を開いた。

「幸せにします……だから、ずっと俺の側にいてください」

「……はい」

 泣きながら笑顔で頷く私を彼は愛おしそうな瞳で見つめた。

 二人が笑顔で見つめ合っていると。

 ――パチパチパチ!

 誰かが拍手をする音が聞こえた。