旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

 指輪から私に彼が視線を移した。

 その瞳は鋭いほど真剣で、私の身体は固まって動けなくなる――。

 私は微かに震える手を前に重ねる様に組むと、彼を黙って見つめる。

 動揺を悟られないように平常を装って……。

「俺はそれを聞いて、慈愛溢れる彼女にはとても合ってると思いました」

「……」

「たまに抜けた所もありますが……よく気が利いて料理も上手くて物静かで落ち着いていて……」

 彼女の事を思い出しているのか、彼の顔は少し照れた様に微笑んでいる。

 やめて……。

 そんな嬉しそうな顔をしないで……。