旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

 スーツを着て、最後に見たあの日と変わらぬ彼……。

 久しぶりに聞く、彼が私の名前を呼ぶ声に鼓動はさらに速くなる。

 目を逸らしたい……でも出来ない――。

 あんなに好きだった彼が今、私の目の前にいるから――。

 お互い様子を伺うようにただ黙って見つめ合う。

 暫くして彼が口を開いた。

「オーダーメイドした指輪が出来上がったと連絡があったのですが……」

「あ……は、はい!どうぞお掛けください」

 彼をカウンター席へ座るよう促すと、慌てて用意していたジュエリーボックスに手を掛けた。

 が、不意に手が止まる――。