旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

 ドアを開けると、朝日に照らされた眩しい世界が広がっていた。

 廊下に出ると彼を振り返る。

「……それでは……さよなら雅也さん」

 精一杯の笑顔を浮かべ、彼に小さく手を振った。

「……さよなら」 

 閉まっていくドアの向こうに見えなくなって行く微笑んだ彼……。

 全てがスローモーションの様に見え、一瞬がとても長く感じた。

 そして、ゆっくりドアが私と彼を隔てるように閉まっていく……。

 二度と交わる事がないように……ゆっくりと……。

 ――バタン……