旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

 暫く抱き合った後、ゆっくり彼が離れた。

 私の泣いてる顔を見て一瞬驚いた顔をしたが、優しく微笑み頬を流れる涙を長い指でそっと拭う。

「すみませんでした……不安にさせてしまって……」

「……まったくです……フフ」

 涙を流し笑いながら言うと、彼は困った顔をして笑った。

 私の涙を安心した涙だと思ったのだろう……。

 それでいい――。

 彼に対する私の気持ちを知られるぐらいなら、それでいい……。

「早く食べてください。冷めちゃいますよ」

 涙を手で拭いながら言うと、彼が「はいはい」と笑いながら戻り再び親子丼を食べ出した。

 その様子を私は笑顔でみつめていた。