旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

「駄目ですね、俺。瑞希さんの前で弱気な事言って」

 マグカップを持ちハハ、と笑い彼はコーヒーを飲む。

 その笑った顔は切なげで見ているこっちが悲しくなる……。

 鈴木グループと会社を守る為に一人で必死に頑張って、彼が安らぐ場所はあるのだろうか。

 そんなに張り詰めた状態では彼はいつか疲れ、倒れてしまう……。

 ――守ってあげたい。

 彼がマグカップをテーブルに置くと、カップを持ったままの右手をそっと包むように私の左手を重ねた。

 驚いた顔で彼が私を見る。