旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

 しばらくすると、カチャっとドアが開く音がした。

 ドキン――!

 早く打っていた鼓動が、益々力一杯に強く、そして早く打ち出し始めた。

 振り返りドアを見つめると疲れきった様子で彼が入ってきた。

 彼はネクタイを片手で緩めると窓際にいる私に視線を移した。

 緊張してどうしたらいいのか分からず、ただじっと彼を見つめているとフッと彼が笑った。

「瑞希さん。少しお話いいですか?」

 そう言うと彼は椅子に腰を降ろした。