旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~

 私の瞳からはポロポロと涙が頬を伝い、ポタポタとテーブルの上に落ちていた。

 その様子に固まっていた沖君が急にアタフタと動きだした。

「え?ちょっ!待て!え?」

 オロオロとしている沖君に涙を手で拭いながら笑った。

「ごめんなさい。嬉しくて……フフ」

 そう言う私を未だにオロオロしながら沖君は見ている。

「プレゼントは受け取ったの。でもちゃんとお礼言えてないから、帰ったら言うわ。ありがとう沖君。教えてくれて」

 溢れてくる涙を拭いながら沖君にそう言うとホッとした顔をした。

 暫くして沖君のお昼休憩が終わると会社へ戻って行った。

 私もアパートに戻ると箱に閉まったブレスレットを再び左手に付けた。