あの日以来、私はずっと寝れてない。

部活は理由を言って部長に頼んでやすませてもらった。

優しい部長でよかったぁ〜

授業中もずっと眠くてしょうがなかった。

やっと昼休みになって私はホッとしてた。

「れお。あんたどうしたの?眠そうなのはいつもだけど。いつも以上に眠そうだよ?」

「んー。この頃寝れなくてさー」

「へー珍しいね。なんかあった?」

「悩み事っ」

「れおでも悩み事ってあるんだね〜てか聞いてよ!」

「なにっ親友が寝不足で苦しんでる時に!」

「そんなん知らないよ。こっちの話優先!」

「はいはい」

普通ならなんでこんな自己チューなのと一緒にいるのって思うかもしれない。

でも、みなとは生まれてからずっと一緒。

っていうか親同士が仲良しで家も隣同士。

それでいつも一緒にいてなぜか面倒くさがりの私とみなは気が合っているのかないのか仲がいい。

「この頃れお部活やすんでるじゃん。」

「うん。それがどうかした?」

「黒木先輩がさ」

その名前になぜか反応してしまった。

「黒木先輩がどうしたのっ?」

「うおっ!どうした急に!なんかすんごいしつこくてさ。きもいんだよー」

「ふーん。」

チャイムが鳴った。

なぜかちょっと胸が変な感じした。

続きが聞きたかった。

なんで?

みなは学校でも人気者で男子からも女子からもモテる。

その反対に私は影が薄い。

だからあんまり人にきづかれない。

だから黒木先輩がみなにしつこくしてもおかしくない・・・

黒木先輩もみなのことすきなのかな?

(だから何っ!私には関係ない!関係ないじゃん!)

授業中そう言い続けた。

言い続けないとおかしくなりそうだったから・・・



その日は部活に出た。

やっぱりきになってしまった。

はぁ〜だめだな私・・・

今日は夏休み直前ですでに旅行に行ってる人がたくさんいた。

それだからか部活にも人があまりいなかった。

みなもいない。

家も誘われたんだけどそんな気分じゃなかったから親だけついて行くことになった。

「れお!この頃部活休んでたけど大丈夫か?風邪か?ちょっと顔色わるいぞ?」

「先輩・・・大丈夫!ちょっと寝不足なだけだから」

「ちゃんと寝なきゃだめだぞ!とくに夏休みはいるやつらは絶対部活毎日練習だからな」

「わかってるよー」

とかいって絶対寝れない。

無理に決まってる。

もう何でなのか分かんなくてイライラした。

だから練習むちゃくちゃやった。

私は一応レギュラー入れてもらった。

あんま目立たないしシュートがどこからでもうてるという理由で。

だから今日は部長に怒られた。

「目立ち過ぎだっ!」

「すみませんっ!」

「お前はシュートも一切外さないけど、目立たないのも大切なんだぞ!」

「これからは目立たないようにしますっっっっ!」

一番したくないことをすると言う・・・

バカだなぁ自分。

結局部長の説教がおわったのは夜の9時。

黒木先輩が止めてくれた。

「まぁエースが言うんだったら・・・」

「部長もそろそろかえったほうがいいよ〜」

それにまだ練習が残ってたし体育館の掃除当番でもあった。

最悪だ。

眠い。

練習は先輩が付き合ってくれた。

終わったら先帰ってもらって自分でそうじをした。

はずだった。

終わって着替えて外に出ると先輩がいた。

「なんでいんの?

「え、だってもう暗いし。夜中の12時だぞ?」

「別に一人で帰れるし」

「女一人で夜道歩いて帰るなんて危なすぎるだろ。あ、でもお前男みたいだけどなっw」

「うるさいなー」

「まぁまぁ。送るよ」

「へーへー」

「荷物。持つよ。重そうだしなんか」

「別に重くないけど」

「いーから。かして」

「はいよさんきゅー」

ヤバい。

ドキドキが止まんない。

なんで?

どうしよ!



それから私達は何も話さず家まで歩いた。

「お前んちでけーな」

「そんなことないよ」

「いやでかい!俺一人暮らしでさ安アパートすんでっからさー」

「ふーん大変だね〜」

「てかもう12時半!?」

「先輩んち遠いの?」

「んー学校から電車で40分ぐらい。」

「ばか。帰れなくね?」

「だな。」

何考えてんだこの人。

電車のんないと行けないのに待ってたの?

「タクシーでもひろうか〜」

「ついたらよるあけてんじゃねw」

「じゃーどうしろってんだよ〜」

「んんー明日土曜だし部活昼からでしょ?じゃ家と泊まってく?」

特になにも考えずにいった。

別に男子なんて泊めてもまわなかった。

「はぁ?お前バカか?親とか反対するだろてかその前に普通男家に泊めるかぁ?

「は?うち今親と3週間ぐらい海外行って帰ってこないしみなだってそうだし男泊めたってなんもないっしょ?」

「お前ってホントばかだよな」

「先輩に言われたくない。てか私料理できないから親いない間どうしようか困ってたの」

「で俺に作れと」

「だって料理プロ並みじゃん。親帰ってくるまでここにいていいからさー」

「ここに泊めてくれなんてたのんでねーよ。」

「オネガイシマス クロキセンパイ」

「ムカつく。わかったよ。明日着替えとか取りに帰るけど特別だからな!」

「はーいっ!」

・・・・・・・・・・・・・

「お前の家寝室二つしかねーのかよっ!」

「・・・忘れてたっ!」

「ばかなのか?お前はばかなのか?ばかなんだなぁっ!」

完璧忘れてた。家に寝室二つしかないこと。

それに親の寝室は鍵がかかっている。

なんかいつも私をいれてくれない。

「どこでねろっつーんだよー」

「私の部屋しかないっしょ・・・」

「まじかよ」

「私のほうが嫌なんですけど」

「はぁ?さそったのお前だろ?

「はいはい。我慢するしかないっすな。」

「お前の部屋でけぇ・・・」

「そーかな?そーでもないけど」

「いやベッドとか2人で寝れんじゃん」

「うん。みなと昔一緒に寝てたから」

「家となりなのに?」

「みなの親よく出張いってたから」

「ふーん。てか敷き布団は?」

「ないよそんなの」

「お前さーどんだけ金持ちライフ送ってんだよ」

「たしかに前までみなとはちがってお嬢様学校的なとこはいってたけど感覚は普通・・・」

「じゃねえよっ!敷き布団なしでどこ寝ろっていうんだよ!」

「ベッドしかないじゃん」

あっさりいう私に先輩は焦った顔をした。

何がおかしいの?

えっ普通にベッド2人はいるし十分じゃないの?

「しょうがねぇか・・・」

先輩はあきらめたような顔をして言った

「服はお父さんの着て」

「ちょうど洗濯機の中に入ってた。あと私先シャワー浴びるからその後は行ってね。」

「わかった」

先輩がシャワーは行ってる間にみなが昔言っていたことを思い出した。

『男は女と2人きりになると何するかわかんないよ!』

思い出したら顔が熱くなった。

私はなんてことをしてしまったんだろう!

先輩とふたりっきりなんてなにがおこるかわかんないじゃん!

「れおーシャワー終わったー」

そんなことを考えてる間に先輩はタオルを頭にかけてこっちに向かっていた。

私はドキドキしていたけど寝不足がひどくて限界だった。

「れお?お前すんげーねむそう笑」

「寝不足・・・限界・・・」

まともにしゃべれなかった。

眠い。眠すぎる。

「じゃあもう寝るか」

先輩は苦笑いをしてそういった。

「先輩・・・ぎゅってして・・・」

最後に覚えてるのは不意にでてきたその言葉と先輩の驚いた顔と先輩のぬくもりだった・・・



その時わかった。

私は先輩が・・・好き。