こんな理不尽なことを言ったって、池田は1ミリも嫌な顔をしない。



むしろ、なんだか嬉しそうで。




「あたしなんかの、何がいいの?」



「うーん…全部」



「全部って…ブスだし、口悪いし、可愛げないし。男子が好きな要素なんて一つも持ち合わせてないじゃん」



「男子が好きな要素を持ち合わせてる子が好きだなんて、一言も言ってないっすよ?俺」



「…生意気」



「そのまんまで、いてください」



「………」



「そのまんまの、先輩が好きです」




真っ直ぐな池田の言葉が、真っ直ぐに胸に突き刺さる。



痛い。