「だって、彼女できたって、だから、あたしのことも待たなくなって…え?」
「ああ、先輩のこと待たなくなったのは、ジャンケンに負けて合唱祭の実行委員になっちゃって、仕事が遅くまであるから待てなくなったんすよ」
「え、じゃあもしかして…」
「彼女とかいうのも、先輩が聞いたのはたぶん陽花のことじゃないすか?」
「は、陽花って?」
「同じ実行委員の女子っすよ。最近委員の活動で一緒にいることが多いからよく勘違いされるんすけど、向こうも彼氏いるし、ただの仲いい友達なんでお互い困ってるんすよ」
「ほ、ほんとに…?」
じゃあ、あたしの涙は一体…。
「俺が先輩以外の女好きになると思いました?」

