「関係なくないっすよ。グラウンドでサッカーしてたら、先輩が泣いてるのが見えて、心配になって…」 お願いだから、これ以上優しくしないで。 その優しさが、つらいの。 「余計なお世話かもしれないけど、先輩の悲しんでる姿を見るのは、俺もつらいっす」 「ありがとう、でも…」 「こっち向いてください」 「え…」 反射的に池田を見ると、そこにはあたしを真っ直ぐに見つめる、あの頃と同じ忠犬池田がいて。