玲二はしばらく考えたあと、フッと鼻を鳴らした。
「俺にしてみりゃ、超燃える展開ですけど。」
「燃える?」
「だって、狙ってる女にそんなハイスペックな彼氏って燃えるじゃん。
何が何でも俺のものにしたくなるね。てか、簡単にこっちになびくようなら、手に入れた時もの足りないだろ。」
ニヤニヤ笑いながら、スマホをいじっている。
ちょっとして「あった。」と俺にスマホの画面を見せてきた。
そこには、今の玲二の彼女の一人と、仲がよさそうに男がツーショットで写っている。
「なにこれ。」
「俺の彼女と、彼女の元カレの写真。」
「なんでおまえそんなん持ってんの?」
「んー?彼女を最初口説いてたときに、送ってこられたんだよねー。
『私にはこんなにかっこよくて、ラブラブな彼氏がいるんです』って。
だから、最初は全然なびかなくって困った困った。」
ハハっと笑って玲二はスマホをしまう。
でも、確か今うつってた女、今朝玲二が言ってたうまくいっていない彼女の一人だよな。
独占欲が実は強かった、とかいう。
「まあ、知っての通り今は俺に夢中で、逆に俺が引いてるんだけど。」
やっぱり、俺の思った通りであっていそうだ。
「さっきの写真見せられた時、俺マジで燃えたんだよな。
この女絶対手に入れるって。・・・で、実際はこのとおりじゃん?」
「つまりおまえ、略奪したわけ?」
玲二は「んー?」とか言いながら笑って何も言わない。
・・・こいつ。やっぱりいつか刺される。


