昼休み。
俺は玲二に引っ張られて屋上に来ていた。
まあ、ちょうどいい。
だって、教室には案の定、和樹が来ていて市谷の隣に入り浸っていたから。
今は1秒たりともあの二人を一緒に視界に入れるのは不快だ。
感じたことのない怒りと、敗北感と、悔しさと、無力感と・・・
まだまだあるけれど、一括りに言うと、要は嫉妬。
俺は、ブルーなまま飯を食うきにもならず、玲二がなぜか買ってくれた500mlのカルピスソーダの缶を開けて一口だけ飲んだ。
「章吾大丈夫か?
元気だせよ。女は一人じゃないぞ?」
玲二は完璧に俺が仲直りもできずに、そのまま嫌われたと思っている。
「言っとくけど、仲直りはしたからな?」
まあ、俺的には最悪な状況なのは変わってないんだけど。
最悪の中身が、がらりと変わっただけで。
いや、これなら前の喧嘩?っていうか怒らせてしまっていた状況の方がまだよかったかも。
「はあ。」
またため息がでた。
それを飲み込むようにカルピスを飲む。
炭酸がいつもより喉にしみる。


