「ちょっと!やめてよ!!」

振り返り男を睨みつける。

え?知り合い?

人違いでもなんでもない?

もしかして、彼氏?

いや、いないよな・・・・だって。

でも、素顔知ってるなら多いにあり得る。


「なんで~?

久しぶりの再会なのに!!」

男はクネクネしながら市谷の首に腕を回し続ける。


その光景を見ていると

怒りとも、悲しみとも違う、

感じたことのない感情に胸を覆われる。

なんだ、これ。

気持ち悪い。

すごく嫌な感じだ・・・。


「てか、あれ?おまえだれ?」

男は俺に気づいた。

そして、市谷に向けていた声とは全く違う

冷淡な、対抗心むき出しの声を俺にかける。