ぼっちな彼女に溺愛中

「ありがとう。」

ぼちたには前を向いたまま告げる。

「おまえ、いろんなことですぐ礼言い過ぎ。」

あだ名のこともそうだし。

しかも、あんまりお礼言われるようなことしてないときに言うから。

「だって、お礼言いたくなるようなこと、

藍田くんはいっぱいしてくれるもん。」

本当に、不思議な奴。

「してないって。」

俺が否定すると、不服そうだ。

「・・・・してる!」

ちょっとたってから、反抗する。

・・・もう、どっちでもいいんだけど。

俺は、ちょっと笑うだけで黙っていた。

すると、認めたと受け取ったようで少し満足そう。

そんな表情を見ていると、なごむ。

落ち着く。安心する。

そばにいたい、なんてまで思う。

・・・・不思議だ。

ぼちたにも。俺も。

誰かのそばにいたい、なんて、この俺が思うなんて。