ぼっちな彼女に溺愛中

愛樹の背中が見えなくなっても、しばらくその場を動けなかった。

茫然と、愛樹が去っていた方を見ながら

こみ上げてくる疑問。

「なんでだよ・・・・。」

俺の隣で俺と同じ方向を見ている奴に問う。

「なんで、あんなこと言った?」

声は荒げない。

でも、俺は怒っていた。

菜月に怒るのは筋違いだ。

菜月は本当のことを言っただけ。

わかってるけど、なんであの状況で、しかも愛樹に、言ったんだ。

ちょっと考えたらわかるはずだろ?

おまえはそんなにバカじゃない。

それに、ああ言った時の菜月は、口を滑らせたというよりも狙って言ったような気がした。

「おい、菜月!」

何も答えない菜月に、筋違いの怒りが爆発し、思わず彼女の肩をつかんでいた。

菜月は肩をつかまれて、さらに揺さぶられても、なにも言わない。

いつものへらへらした顔じゃなく、真顔で俺から視線を外してされるがままになっている。