ぼっちな彼女に溺愛中

時刻は20時前。

さすがに帰るか・・・。

しゃべってたら、こんな時間だ。

俺の提案に、菜月は無言のまま頷いてファミレスを出た。

「ちょっと暗いし、送るわ。」

「紳士~。ありがと!」

へへっと笑い、菜月は自然と俺の腕に絡みついてくる。

その手を見て、理奈の言葉をまた思い出す。

「ちょ、やめろって。」

振り払うけど、やっぱり菜月はお構いなしに「や~だ!」と言って離そうとしない。

それどころか、もっと距離をつめてきた。

「・・・おーい!」

少し力を強くしても、なかなかとれない。

だめだな、これ。

本気でやったら、男と女の力の差だ。振り払える。

でも、その後の空気が重くなることを考えると、踏み切れない。

まあ、いいか・・・。

ここは俺の地元。

理奈に見られることもないし。

理奈どころか、同じクラスなら玲二くらいしか、この辺を通りかかるやつはいない。

俺は、安心しきって振り払おうとするのをやめた。