「だめ!!」

俺は気づくとそう叫んでめがねをもう一度かけてやっていた。

ぼちたには、目を丸くしている。

「だめ!やっぱ、めがねとるな。」

赤くなっている顔を見られないように顔を背ける。

だめだ。

あれはだめだ・・・・。

なぜかそう思った。


なんだか、あのぼちたにをみんなに見られるのが嫌だった。


「やっぱ、おまえそのままでいい。」

振り返ってそう告げる。

「え?」

「めがねあったほうがいいわ。」

・・・・嘘を、ついてしまった。

でも、ぼちたには、俺の言葉を真に受け、少し悲しそうにする。

そして了承の意として、また頷く。

「絶対とるなよ?俺の前以外では。」

「藍田くんの前ならいいの?」

・・・あ!!

余計なひと言を付け加えてしまったことに今気づいた。

「いいよ。俺、もう見たから。」

「あ、そっか。」

案外素直になんでも納得するな。

絶対人のこと信じやすくて、だまされやすいタイプだ。