現に玲二は俺にあきれ返っている。

あれから1か月近く経つのに、なにも行動を起こしていない俺に。

たった二文字を、一言で言えば済む話だ。

何度も言われてきた言葉だ。

聞いている立場だった俺は、この言葉を言うのにどんなに勇気が必要かを知らなかった。

もっとちゃんと聞けばよかった・・・

つくづく自分の最低さに嫌気がさしてくる。

こんな俺に、愛樹が同じ気持ちを返してくれるとは到底思えない。

おかしいな。

まえまで、俺はわりと自信家だったはずだ。

わりと、なんでもうまくいってきた方だし、不自由しなかった方。

順風満帆とまではいかないかもだけど、それに近い人生を歩んできたと思う。

まあ、主にこの顔のおかげで。

・・・なのに、この顔が使えない途端、こんなに自信がなくなるなんて。

そう言われるのが本当に嫌だったけど、所詮俺は顔だけの男だったわけだ。